ある日の晩のこと。
平穏無事な、ごく普通の、穏やかな一日が終わり。
家族で夕食を食べていると。
「コンコン」
と、
我が家の、古い、引き戸を叩く音。
続けて、
「こんばんは」
と、か細い声。
誰だろう?近所の方ではなさそうだし・・・。
いよいよ、いつかの動物が恩返しにでも来たか、あるいはキツネのいたずらか。
そう思いながら玄関へ出ていくと。
自転車に荷物をたくさんつけた、髭もじゃの、見知らぬ外国の方が、笑顔で、
「ENglish?」
と。
えぇ、まあ、少しは。。。
と、話を聞くと。
陣馬形山へ登ろうと思ったが、日没過ぎて暗くなり、ここらへん今夜の野営地を探したい、スペインとアルゼンチンから来たのだと。。
それならと、我がアバラヤの庭へテントを張っていただきました。
その日は遅かったので、直ぐに就寝。
翌朝、皆で食卓を囲みました。
片言の英語で話に花が咲き、しばしの歓談ののち、彼らは西を目指していきました。
当たり前の毎日に、異国の風を運んできてくれた旅人よ。ありがとう。楽しかったよ。
ああ、明日もいいことありますように。